管理栄養士ってどうやったら給料上がるの?
この記事はこのような疑問を持つ人に向けて書かれています。
- 管理栄養士の平均的な給料水準
- 給料を上げる方法
“ささ”と申します。プロフィールは以下の通り
- 結婚を機に都会から地方に移住(20年経過しました)
- 管理栄養士として総合病院、クリニック、保育園、特老などで勤務
- 現在は管理栄養士として独立し、企業などで栄養指導を行う
さまざまな職種の給料体系を経験しました
産業全体と比較して低めの傾向にある管理栄養士の平均月収ですが、地方ではさらに低いことが多い傾向があります。
この記事では、管理栄養士の月収の実態と給料が易い理由について分析します。どうすれば収入を増やせるか?について資格の取得から職場の変更、さらには働き方の工夫まで、さまざまな角度から解決策を提示します。
給料が低いと悩んでいる方は最後までお読み下さい。
管理栄養士の給料の実態
管理栄養士は、病院や介護施設、学校などで栄養管理や食事の提供に関わる専門家です。しかし、その専門性にもかかわらず、給与面では他の医療職や専門職と比較して低い傾向にあります。
ここでは、管理栄養士の平均月収について以下の切り口で比較して行きます。
- 産業全体との給料比較
- 地域別の給料比較
- 職種別の給料比較
管理栄養士の給料|産業全体との比較
「賃金構造基本統計調査2022年版」を参考にすると約26万4,200円でした。産業全体の平均値が34万100円となるため、給料は低いといえます。(参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査2022年版」)
管理栄養士の給料は他の専門職と比べて低いのが現状です。
全国的に見ると、管理栄養士の平均月収は、一般的な企業職員や他の専門職種に比べて低い水準にあります。
例えば、技術者や教員などの平均月収と比較すると、管理栄養士は数万円単位で低い場合が多いです。
この収入の差は、管理栄養士が直接的な収益を生む役割が少ないため、評価が低く抑えられがちな結果と言えるでしょう。
管理栄養士の給料|地域別の比較
特に田舎では、管理栄養士の月収はさらに低い傾向にあります。地方における医療施設や介護施設は、都市部と比較して経済的な制約が大きいため、それに比例して給料も低めに設定されがちです。
例として、東京都内の管理栄養士の平均月収と、地方都市のそれとでは、数万円の差が出ることも少なくありません。
(参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」)
管理栄養士の給料|職種別の比較
職場によっては管理栄養士の給料が高い場合もあります。特に次のような職場では、専門性を高く評価され相応の給料が支払われています。
- 大手の医療機関
- 高級老人ホーム
- 研究施設
なぜなら、こうした施設では管理栄養士の知識とスキルが直接的な利益につながると認識されており、評価が高くなる傾向があるためです。
例えば、大手企業が運営する施設では、地方の求人であっても全国平均より高い賃金となることがあります。そして、給料の高い職場では人材確保にも力を入れており、転職エージェントなどを利用しているケースが多い傾向があります。
私も転職エージェントを活用して条件の良い職場を見つけました。
管理栄養士の給料が低い3つの理由
管理栄養士は、国家資格を持つ専門職ですが、その給与水準は必ずしも高くありません。全国平均では年収400万円前後と言われています。この水準は一般的な専門職より低めですが、それにはいくつかの要因があります。そのなかでも特に次の3つが給料を低くする要因となりいます。
- 業務独占資格ではないため
- 利益を生み出しにくいため
- 需要に対して人数が多いため
業務独占資格ではないため
管理栄養士は、「栄養の指導」と「給食管理」を業務とする国家資格です。しかし、これらの業務を行うのに管理栄養士資格は必須ではありません。
介護施設や病院の給食管理を行う場合は、栄養士や調理師でも可能です。つまり、管理栄養士は業務独占資格ではないのです。
このため、雇用側から見ると、管理栄養士に高額の給与を支払う必要性がそれほど高くありません。資格がなくても同様の業務を行える人材を低コストで雇うことができるからです。
特定の業務をその資格を持つ者しか行えない資格のことです。医師や弁護士などがその代表例です。
これらの資格は法律で業務独占が保障されており、他の職種がその業務を行うことは禁じられています。そのため、これらの資格保持者は高い収入を得やすくなっています。
業務独占でない資格は、一般に処遇が低くなりがちです。
利益を生み出しにくいため
管理栄養士の仕事は、給食管理や栄養指導が中心です。
これらの業務は、患者や利用者の健康維持・増進を目的としています。つまり、直接的な利益を生み出す業務ではないのです。
企業は利益を生み出す部門に人材投資をしやすく、そうでない部門への投資は手薄になりがちです。管理栄養士は健康をサポートする重要な職種ですが、雇用側からすると付加価値がが見えにくく、給与に反映されにくいという現実があります。
経営者から見た場合、管理栄養士の貢献度は低く映るのかもしれません
資格の性格医療施設や福祉施設では、治療やケアの一環として重要視されるものの、直接的な「収益源」とは見なされにくいのが現状です。
需要に対して人数が多いため
管理栄養士の数が需要に対して多いことも、給与が低い理由の一つです。管理栄養士は国家資格であり、毎年多くの新卒者が資格を取得して市場に参入します。しかし、就業先の数は限られており、需要と供給のバランスが崩れている状況です。
医療機関や福祉施設、学校など、管理栄養士が働く場所は多岐にわたりますが、それでも供給過剰の状態が続いています。その結果、競争が激化し、雇用者側は給与を上げる必要性が低くなります。特に、新卒者が多く参入することで、若年層の管理栄養士の給料が低く抑えられる傾向が強まります。
さらに、パートタイムやアルバイトで働く管理栄養士も多く、正規雇用のポジションが限られているため、全体の給与水準が押し下げられることもあります。これに加え、地域差も大きく、都市部と地方で給与に大きな差があるのも現実です。都市部では比較的高い給与が期待できるものの、地方では需要が限られているため、給与水準が低くなることが多いです。
管理栄養士の給料を上げるには
管理栄養士は、食事や栄養に関する専門知識を持ち、個人や集団の健康をサポートする重要な職業です。
しかし、その給料は他の専門職と比較して低いことが多いのが現実です。ここでは、管理栄養士の給料を上げるための具体的な方法について解説します。管理栄養士としての価値を高めることで、給与アップを実現しましょう。
自分のキャリアやライフスタイルに合った方法を選ぶのが重要です
資格を取得する
管理栄養士としての給料を上げるためには、さらなる資格を取得することが効果的です。
管理栄養士としての基本的な資格を持っていることは重要ですが、さらなる専門知識やスキルを証明する資格を取得することで給料アップを目指すことができます。
例えば、以下のような特定の分野に特化した資格を取得することで、専門性が高まり、キャリアの幅が広がります。
専門管理栄養士
専門管理栄養士は、日本栄養士会が認定する資格で、特定の分野において高度な知識と技術を持つことを証明します。例えば、臨床栄養、スポーツ栄養、学校栄養、食品サービスなどの分野があります。
具体的には、病院やクリニックで勤務する場合、次のような疾患別の専門資格の取得が有効です。
- がん専門管理栄養士
- 糖尿病専門管理栄養士
- NST(栄養サポートチーム)専門管理栄養
病院側から見ると、専門知識を持つ管理栄養士であれば、高額の給与を支払う価値があると判断されやすくなります。
また、「スポーツ栄養士」「介護予防指導員」など、分野を特化した資格も給与アップのチャンスとなり得ます。特定分野の専門家として高い評価を受けられるためです。
資格取得には時間とコストがかかりますが、将来的なキャリアアップにもつながる有効な投資と言えるでしょう。
食品衛生管理者
食品衛生管理者は、食品の安全管理を行う専門家です。食品衛生法に基づく資格で、食品製造業や飲食業において重要な役割を果たします。
この資格を持つことで、食品関連企業での就職や転職が有利になり、給与アップが期待できます。
公衆衛生管理者
公衆衛生管理者は、公衆衛生の観点から地域住民の健康を守る専門家です。公衆衛生学や疫学の知識を持ち、地域保健や健康増進に関わる業務を担当します。
この資格を取得することで、保健所や自治体でのキャリアを築くことができ、給与の向上につながるでしょう。
職場を変える
管理栄養士の給料を上げるためには、職場を変えることも一つの方法です。以下のような職場は、他の職場と比較して高い給料を提供していることが多いです。
給料が高い傾向の職場
- 大手の医療機関
- 高級老人ホーム
- 研究施設
転職活動を行う際には、転職エージェントの活用をすることで条件の良い職を見つけやすくなります。なぜなら、転職エージェントに登録している企業は人材確保にコストを掛ける意識が高く、人材を大切にする傾向が高いためです。
また、ネットワーキングも重要です。業界のセミナーや勉強会に参加し、他の管理栄養士や医療関係者とのコネクションを作ることで、非公開求人や内部情報を得ることができます。
私はフリーランスになってからも積極的に勉強会に参加するようにしています。
これにより、自分に合った職場を見つけるチャンスが広がります。
大手の医療機関
大手の医療機関は、管理栄養士に対して高い給与を支払う傾向があります。これは、医療機関が管理栄養士の専門知識と技術を高く評価しているためです。また、大手の医療機関では福利厚生も充実しているため、総合的な待遇が良い場合が多いです。
高級老人ホーム
高級老人ホームも、管理栄養士に対して高い給与を提供することが多い職場です。齢者の健康管理や栄養管理は重要な課題であり、そのための専門知識を持つ管理栄養士は貴重な存在です。
特に、高級老人ホームでは、入居者の健康維持や生活の質向上に大きな責任を持つため、高い報酬が期待できます。
研究施設
研究施設や大学の研究機関も、管理栄養士に対して高い給与を支払うことがあります。これらの施設では、管理栄養士が研究プロジェクトの一員として働くことが多く、高度な専門知識と技術が求められます。
研究成果が評価されることで、給与アップやキャリアの発展が見込まれます。
働き方を変える
管理栄養士の給料を上げるためには、勤務形態を見直し、働き方自体を変えることで、収入アップが可能な場合もあります。
例えば、フリーランスとして活動する場合、自分のペースで仕事を進めることができる一方で、安定した収入を得るためには自己管理能力が求められます。副業を行う場合は、現在の職場の規定を確認し、無理のない範囲で活動することが大切です。
自分のライフスタイルや目標に合った選択をすることが重要です
また、働き方を変えることで、新しいスキルや経験を積むことができ、将来的なキャリアアップにもつながります。
例えば、オンラインでの栄養指導を始めることで、デジタルマーケティングの知識やスキルを身につけることができ、これが将来的に新たな収入源となる可能性もあります。
具体的には以下のような働き方を検討することで、収入を増やすことができます。
- フリーランスとして働く
- オンラインで働く
- 副業する
- 職場の掛け持ち
私の場合は①~④の全て取り入れた働き方を選んでいます
フリーランスとして働く
フリーランスとして働くことで、自分のスキルや知識を最大限に活用し、高い報酬を得ることが可能です。
フリーランスの管理栄養士は、個別の栄養相談やセミナーの開催、企業向けの栄養指導など、多様な業務に従事することができます。自身の専門性を活かし、クライアントとの直接契約を結ぶことで、収入を大幅に増やすことができます。
オンラインで働く
インターネットを活用して、オンラインで栄養指導やカウンセリングを提供することも収入を増やす方法の一つです。
オンラインサービスは、地理的な制約がないため、全国どこからでもクライアントを獲得することができます。
特に、ダイエットやスポーツ栄養など特定のニーズに特化したサービスを提供することで、高い報酬を得ることができるでしょう。
その他の働き方
副業をしたり、職場を掛け持ちしたりするのも、収入を増やすことも一つの方法です。
副業や掛け持ちは職場のルールで禁止されている事があります。
取り組む場合は職務規定を確認しましょう。
例えば、週に数日病院で働き、残りの日は老人ホームや学校で勤務するなど、異なる職場での仕事を掛け持ちすることで、合計の収入を増やすことができます。
このような働き方は、スケジュール管理が重要ですが、収入を増やすためには有効です。
まとめ:田舎で条件の良い仕事を見つけるために
この記事では、管理栄養士の給料は安いのか?職場や地域、職種によって異なる実態を解説しました。また、地方であっても好条件となる働き方についても紹介しています。
収入を増やす働き方は次の通り
- フリーランスで働く
- オンラインで働く
- 複数の仕事を掛け持ちする
- 副業をする
資格取得でスキルアップをすることで収入を増やす効果は倍増します。
実際に私はこのやり方で収入が増えました
近年では、地方であっても様々な方法で収入を増やすことが出来るようになりました。スキルアップを目指し、管理栄養士としてのキャリアをより充実させましょう!